教員紹介:河村昌子教授

河村昌子 教授

(かわむら しょうこ)

専門分野

  1. 中国近現代文学
  2. 文化大革命と文学、巴金研究
  3. 中国近現代文学、中国文化論、中国語

経歴

  • 2018年4月 – 現在 明海大学 外国語学部中国語学科 教授
  • 2010年4月 – 2018年3月 明海大学 外国語学部中国語学科 准教授
  • 2007年4月 – 2010年3月 千葉商科大学 商経学部 准教授
  • 2004年4月 – 2007年3月 千葉商科大学 商経学部 助教授
  • 2004年4月 – 2005年3月 アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレー校中国学研究所にて研修
  • 2000年4月 – 2004年3月 千葉商科大学 商経学部 専任講師
  • 1995年9月 – 1996年7月 北京大学中文系に高級進修生として留学
  • 1993年4月 – 1999年3月 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(博士課程)比較文化学専攻〈1999年3月 博士(人文科学)取得〉
  • 1991年4月 – 1993年3月 お茶の水女子大学大学院人文科学研究科(修士課程)中国文学専攻
  • 1987年4月 – 1991年3月 お茶の水女子大学文教育学部外国文学科中国文学・中国語学専攻
  • 1987年3月 大阪府立北野高等学校卒業

授業・ゼミについて

 ゼミでは、現代中国の物語文文学作品新聞記事などを、講読しています。日本語訳でいろいろな作品に触れ、現代中国の社会・文化・歴史を理解すること中国語の原文を読み、翻訳力を高めていくことを、ゼミの柱にしています。

 就職活動のバックアップにも、力を入れており、ゼミ開講以来、希望者就職率100%です。学生さんひとりひとりの気持ちや希望をじっくり聞きながら、卒業後の人生の歩みが輝かしく自分らしいものになるよう、サポートしています。

 これまでのゼミを振り返ると、どの年にも、すばらしい学生さんに出会えていました。本当に感謝しています。これからも、すてきな人とお会いできるのを、楽しみにしています。

 ゼミ以外に、中国の現代文学、現代文学史を学ぶ授業などを担当しています。文学者が魂を捧げた作品は、人が生きていく上で必要な力と癒やしを与えてくれます。そんな文学の魅力を、学生さんと共有したいと思っています。

研究について

 専門は中国近現代文学で、特に巴金(はきん、Ba Jin、1904-2005)を中心に研究しています。その他に、巴金と同時代の作家、林語堂(りんごどう、Lin Yutang、1895-1976)、張承志(ちょうしょうし、Zhang Chengzhi、1948-)、高行健(こうこうけん、Gao Xingjian、1940-)なども研究しています。

 私は、巴金という作家は、心や身体で受けとめたものを、言葉で語りきることで、一種の癒しを得ていたと、考えています。同様のことが高行健にもあてはまると思われます。研究では、できるかぎり、作品が書かれた瞬間に立ち戻り、作品そのものから、作家がその作品を書いた意味を探り、跡づけることを目指しています。

著書

  • 『文学の力、語りの挑戦 中国近現代文学論集』
    宮尾正樹教授退休記念論集刊行会編
    担当部分:「巴金と芹沢光治良――文学者の交流」
    東方書店 2021年3月
  • 『国際未来社会を中国から考える』
    遊佐昇・河村昌子・佐藤賢編著
    担当部分:「芥川賞作家楊逸の文学――日本語を母語としない中国人作家の日本語創作」「歴史の悲劇を越えて――中国人作家巴金が見たヒロシマ」
    東方書店 2018年1月
  • 『巴金 ― その文学を貫くもの』
    中国文庫 2016.10月
  • 『ああ 哀しいかな-死と向き合う中国文学-』
    佐藤保、宮尾正樹編
    担当部分:「蕭珊、弔いえぬひと-巴金『随想録』にみる追悼の形-」
    汲古書院、2002年10月

訳著書

  • 『子宮』
    盛可以著、河村昌子訳
    河出書房新社 2022年10月
  • 『中国はここにある 貧しき人々のむれ』
    梁鴻著、鈴木将久・河村昌子・杉村安幾子訳
    みすず書房 2018年9月
  • 『中国メディアの現場は何を伝えようとしているか 女性キャスターの苦悩と挑戦』
    柴静著、鈴木将久・河村昌子・杉村安幾子訳
    平凡社 2014年4月
  • 『世界史の中の世界 文明の対話、政治の終焉、システムを越えた社会』
    汪暉著、丸川哲史編訳
    担当部分:「第五章 記念碑を越える、あるいは新知のはじまり」
    青土社2016年5月
  • 『中国現代散文傑作選1920→1940―戦争・革命の時代と民衆の姿』
    中国一九三〇年代文学研究会編
    担当部分:巴金著「エルケの灯火」
    勉誠出版2016年2月
  • 『誰も知らない 香港現代思想史』
    羅永生著、丸川哲史・鈴木将久・羽根次郎編訳
    担当部分:「香港は「国民教育運動に従わない」」
    共和国2015年8月
  • 『中国が世界に深く入りはじめたとき 思想からみた現代中国』
    賀照田著、鈴木将久編訳
    担当部分:「第八章 中産階級の夢の浮沈と中国の未来――近年のネット流行語から見る中国知識青年の経済的・社会心理的境遇」
    青土社2014年1月
    (『現代思想』2012年12月号初出)
  • 『9人の隣人たちの声 中国新鋭作家短編小説選』
    桑島道夫編
    担当部分:周嘉寧著「幻覚」
    勉誠出版2012年9月
  • 『現代中国青年作家秀作選』
    桑島道夫編
    担当部分:崔曼莉著「山中日記」
    鼎書房2010年10月
  • 『法と暴力の記憶 東アジアの歴史経験』
    高橋哲哉、北川東子、中島隆博編
    担当部分:涂険峰著「現代中国のイデオロギー暴力――文化大革命の記憶」
    東京大学出版会2007年3月
  • 『現代中国文学短編選』
    桑島道夫、原善編
    担当部分:盛可以著「手術」
    鼎書房2006年12月
  • 思想読本12『ポスト〈東アジア〉』
    孫歌、白永瑞、陳光興編
    担当部分:銭理群著「我らが世代の世界認識」
    作品社2006年3月
  • アジア新世紀6『メディア 言論と表象の地政学』
    青木保、姜尚中、小杉泰、坂元ひろ子、莫邦富、山室信一、吉見俊哉、四方田犬彦編
    担当部分:史書美著「曖昧さの信じられない重さ-台湾におけるアイデンティティのパラドクス」
    岩波書店2003年4月

論文

  • 巴金『随想録』執筆の原動力――『天安門詩抄』編集者王仰晨との交友
    応用言語学研究 : 明海大学大学院応用言語学研究科紀要(2155-66 20193月
  • 巴金『随想録』執筆の原動力―映画『サンダカン八番娼館 望郷』・『未来世界』から考える
    野草 99, 101-119 2017年3月
  • 太宰治『惜別』について
    『愛知大学孔子学院創立10周年記念シンポジウム「日中近代比較文学研究の空間と可能性(1900-2010)」論集』、2016年8月2日発行、pp.100-107
  • 《日本的丁玲研究》
    《“社会史視野下的中国現当代文学—-以丁玲為中心”会議論文集》、2015年10月発行、北京·当代中国史読書会/中国社会科学院文学研究所、pp.77-80
  • 中国の国語教科書
    応用言語学研究 : 明海大学大学院応用言語学研究科紀要   (16) 31-42   2014年3月
  • 高行健『一個人的聖経』における語りの特徴――残された一人称――
    現代中国   (87) 47-57   2013年9月
  • 張承志の日本論――『敬重与惜別――致日本』を題材に――
    国府台経済研究   23(1) 67-84   2013年3月
  • 高行健『一個人的聖経』に描かれる文化大革命
    明海大学外国語学部論集   24 165-173   2012年3月
  • 盧新華『傷痕』再考――傷痕文学再評価の動きを受けて――
    明海大学外国語学部論集   23 117-128   2011年3月
  • 巴金と読者-公開書簡集『短簡』と『随想録』を題材に-
    千葉商大紀要   46(第1・第2合併) 1-14   2008年
  • 戦時下日本における林語堂の邦訳
    千葉商大紀要   45(3) 51-64   2007年
  • 声なき声を語る-張承志の最近の時評から-
    中国研究月報   680,15-25    2004年
  • プロパガンダから個人史の記録へ-巴金『火』第三部について-
    野草   71,52-66    2003年
  • 巴金と林疑今-新聞連載小説の「時事性」をめぐる一考察-
    お茶の水女子大学中国文学会報   (二十) 209-224   2001年
  • 巴金『寒夜』論-清末及び民国期の女子教育をめぐって-
    現代中国   (72) 38-49   1998年
  • 巴金『寒夜』人物形象考(1)汪文宣
    お茶の水女子大学中国文学会報   (16) 97-112   1997年
  • 巴金『電』試論-作家業と実践活動のはざまで-
    人間文化研究年報   (20) 2-18,2-25   1996年
  • 巴金『家』論-鳴鳳の物語-
    お茶の水女子大学中国文学会報   (13) 33-49   1994年
  • 《談無声之声――関於張承志批評美国的両篇文章》
    《新文学》第5輯 (大象出版社,2006年2月) pp.225-231
  • 《民国時期的中国女子教育状况与巴金的《寒夜》》
    《中国現代文学研究叢刊》2002年第2期(総第91期),2002年4月,pp.180-190
  • 《怎様看待鳴鳳之死?》
    巴金与二十世紀学術研討会編《世紀的良心》(上海文芸出版社,1996年), pp.200-213

辞書

  • 『中日辞典』第2版(講談社)

翻訳

  • 残雪「憤怒」
    『文藝』(河出書房新社)2022年夏季号、第61巻第2号、2022年5月1日、pp.73-75
  • 盛可以「経験を欠いた世界」
    『早稲田文学』(早稲田文学会)増刊女性号、2017年9月発行、pp.329-342
  • 潘向黎「永遠の謝秋娘」
    『灯火』(外文出版社)2016年2号、pp.38-51、2016年12月発行
  • 王大可「張煉紅『歴煉精魂:新中国戯曲改造考論』書評」
    『中国――社会と文化』第30号、2015年7月、pp.215-226
  • 張承志「路地を泳ぐ魚」
    『火鍋子』(翠書房)第74号、2009年11月、pp.4-8
  • 高行健「主義を持たない主義」
    『藍BLUE』(『藍・BLUE』文学会)2005年第4期、総第20期、pp.11-21、2005年11月
  • 高行健「中国流亡文学の困難」
    『藍BLUE』(『藍・BLUE』文学会)2005年第4期、総第20期、pp.22-28、2005年11月
  • タニ・E・バーロウ「グローバリゼーション、中国、国際フェミニズム」(英文和訳)
    『現代思想』(青土社)2001年3月号、Vol.29-4、pp.124-129、2001年3月

講演

  • 中国の国語教科書
    第16回応用言語学セミナー「現代における“ことば教育”はいかにあるべきか」 2013年11月16日
  • ポスト文革の中国文学――張承志の文学活動を軸に――
    アジア研究協会35周年記念講演会「35年間のアジア研究でわかったこと、35年間でアジアがかわった点」 2010年3月19日
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