仙石知子 講師
(せんごく ともこ)
専門分野
- 中国古典文学
- 中国思想、歴史
- 『三国志演義』など中国古小説

経歴
- 2020年4月~現在 明海大学 外国語学部中国語学科 講師
- 2015年4月~2019年3月 早稲田大学文学学術院 非常勤講師
- 2012年7月~2015年6月 日本学術振興会 特別研究員
- 2006年4月~2011年8月 駿河台大学経済学部 非常勤講師
- 1997年4月~2006年3月 大東文化大学大学院 文学研究科 中国学専攻博士課程後期
- 1995年4月~1997年3月 大東文化大学大学院 文学研究科 中国学専攻博士課程前期
- 1989年9月~1994年7月 南開大学 中文系 語言文学専攻
授業・ゼミについて
中国語・中国古典文学・歴史に関する講義・ゼミを担当しています。中国語の授業では、中国語検定に合格できるような実践的な勉強をしていきます。中国古典文学の授業では、歴史書の『三国志』と歴史小説の『三国志演義』を読んでいきます。「三国志」は、日本でも中国でも、古くから広く読まれてきた作品です。その魅力を味わえるような授業をしていきます。中国の歴史の授業では、四千年にも及ぶ、そのスケールを伝えられるように、様々なエピソードにも触れながら、歴史の流れを追っていきます。
研究について
『三国志演義』の中には、いくつかバリエーションがあって、実は日本と中国で読まれてきたものも違います。中国で『三国志演義』といえば、清代に成立した毛宗崗批評『三国志演義』という本が定番です。ところが、日本で日本語に翻訳され読まれてきたのは、明代にまとめられた『李卓吾先生批評三国志』という本なのです。これら二種類の本には、本文のほかに「評」がつけられています。評では、その場面で登場人物がなぜそう行動したか、などが説明されており、この部分を読むと、小説の作者が『三国志演義』を通じて、何を言いたかったのかがよく分かります。わたしは、そこに現れる清代の社会背景を踏まえながら、『三国志演義』を読むことによって、『三国志演義』という小説が、中国だけではなく、日本でも広く読まれた理由を考えています。
著書
- 『毛宗崗批評『三国義演義』の研究』
汲古書院、2017年
第1回三国志学会賞 受賞著作 - 『明清小説における女性像の研究』
汲古書院、2011年 - 『三国志「その後」の真実―英雄たちの後伝』
SBクリエイティブ、2011年、渡邉義浩との共著 - 『「三国志」の女性たち』
山川出版社、2010年、渡邉義浩との共著
訳注書
- 『全譯 三國志』第六冊 蜀書
(汲古書院、2019年、渡邉義浩との共訳) - 『全譯 後漢書』第十冊 志(八)輿服
(汲古書院、2015年、渡邉義浩との共訳) - 『剪灯新話』中国古典小説選8
(明治書院、2008年、竹田晃・小塚由博との共訳)
事典
- 『三国志演義事典』
大修館書店、2019年、渡邉義浩との共著
論文
- 「『列女傳演義』における貞順について」
(『中国女性史研究』28、中国女性史研究会、2019年) - 「ジェンダーの視座から見た日本における『三国志演義』の受容―貂蟬を事例として」
(『三国志研究』13、三国志学会、2018年) - 「『列女傳』研究序説―中国近世における流布と受容」
(『東洋の思想と宗教』35、早稲田大学東洋哲学会、2018年) - 「中国近世小説研究の一視角」
(『中国史学の方法論』第八回日中学者 中国古代史論壇論文集、2018年) - 「毛宗崗本『三国志演義』における諸葛亮の智」
(『三国志研究』11、三国志学会、2016年) - 「毛宗崗本『三国志演義』における劉備の仁」
(『狩野直禎先生米寿記念 三国志論集』三国志学会、2016年) - 「中国小説における「女をさらう猿」の展開」
(『日本中国学会報』67、日本中国学会、2015年) - 「毛宗崗本『三国志演義』における女性の忠」
(『東洋の思想と宗教』32、早稲田大学東洋哲学会、2015年) - 「毛宗崗本『三国志演義』における「関公秉燭達旦」について」
(『三国志研究』9、三国志学会、2014年) - 「明清女性史研究と毛宗崗本『三国志演義』」
(『中国―社会と文化』29、中国社会文化学会、2014年) - 「毛宗崗本『三国志演義』における関羽の義」
(『東方学』126、東方学会、2013年) - 「毛宗崗本『三国志演義』における養子の表現」
(『日本中国学会報』63、日本中国学会、2011年) - 「毛宗崗本『三国志演義』における母と子の表現技法」
(『駿河台大学論叢』39、駿河台大学、2009年) - 「毛宗崗本『三国志演義』に描かれた曹操臨終の場面について―明清における妾への遺贈のあり方を手がかりに」
(『三国志研究』4、三国志学会、2009年) - 「明清小説に描かれた不再娶」
(『東方学』118、東方学会、2009年)
第29回東方学会賞 受賞論文 - 「『醒世恒言』巻三十六「蔡瑞虹忍辱報仇」に描かれた孝と貞節」
(『中国女性史研究』18、中国女性史研究会、2009年) - 「中国女性史における孝と貞節―近世譜にあらわれた女性観を中心に」
(『東アジアにおける「家」―伝統社会と現代社会』大東文化大学、2008年) - 「毛宗崗本『三国志演義』に描かれた女性の義と漢への義―貂蝉の事例を中心として」
(『狩野直禎先生傘寿記念 三国志論集』三国志学会、2008年) - 「族譜からみた明清戯曲小説の女児像」
(『日本中国学会報』59、日本中国学会、2007年) - 「族譜による明清文学に描かれた妻妾」
(『中国学論集』24、大東文化大学大学院、2006年) - 「旧中国の女性の名―排行による呼称と親族称謂語から」
(『中国-社会と文化』20、中国社会文化学会、2005年) - 「族譜からみた明代短編白話小説の考察―「継嗣」に関する族規を手がかりに」
(『中国学論集』18、大東文化大学大学院、2001年)
翻訳
- 卜憲群「林甘泉先生の史学研究の理論と方法」
(『学際化する中国学』、汲古書院、2019年) - 陳支平・趙慶華「中国歴史・文化の研究における民間文献の用い方」
(『学際化する中国学』、汲古書院、2019年) - 韓東育「清朝の「非漢民族」世界における「大中華」の表現―『大義覚迷録』から『清帝遜位詔書』まで」
(『北東アジア研究』別冊4号、島根県立大学、2018年) - 渡邉义浩「论后汉“儒教国教化”的形成」
(『文史哲』2015―4、山東大学儒学研究院、2015年) - 阿風「崇士重商―宋代以降の徽州人による四民観」
(『中国史の時代区分の現在』、汲古書院、2015年) - 季羨林・任継愈・劉俊文 「四庫存目と全書全書存目叢書」
(『汲古』27、汲古書院、1995年)
その他
- 「『三国志演義』と「正史」の曹操像はどこが違うのか?」
(『曹操奸雄に秘められた「時代の変革者」の実像』、山川出版社、2019年) - 「ジェンダーの視座から見た貂蟬の描かれ方」
(『ユリイカ』6月号特集「三国志」の世界、青土社、2019年) - 「李卓吾」
(『初めて学ぶ中国思想―思想家たちとの対話』、ミネルヴァ書房、2018年) - 「列女伝を知る―女性の教訓書はなぜ書かれたのか?」
(『中国古代史入門』、洋泉社、2016年) - 「孝と貞節―中国近世における女性の規範」
(『ジェンダーの中の中国史』、勉誠出版、2015年) - 「時代を惑わせた美女たち」
(『春秋戦国 500年の興亡』、洋泉社、2015年) - 「ヒロインたちの「三国志」」
(日中平和友好条約締結35周年記念事業 京劇三国志「趙雲と関羽」、特定非営利活動法人京劇中心、2013年)